簡易製材機が欲しい!
[更新:05-9-3]
以前より、簡易製材機を探しておりました。 日本で有名なのはハスクバーナでしょうが、アメリカではWood-Mizerが有名のようです。 ハスクバーナ製は日本に代理店がありますが、非常に高額です。 Wood-Mizer製は、日本に代理店が無く金額も張ります。 2年ほど悩んだ末に、ハドソン製のOscar18の購入に挑みました。 |
[1]まずは、購入するものを選ぶ H/Pを参考にして、購入するものを選びます。
本体:Oscar 18" with 5hp Honda Engine:$2345 ホンダエンジンの物を選びましょう。レール1.8mが2本とバンドソーが1本ついています。
延長レール:6' Ground Track Extensions Bolt Together:$250×2=$500 1本は1.8mですので、2本購入します。これでレール総長は7.2mとなり6mの長さの柱も加工できます。
不明です:Extra Log Dogs:$95×2=$190 きっとレール関係の部材と思い購入を決めました。実際はL型の板のようです。これは購入不要でしょう。
予備ベアリング:Roller Bearing Guide Assembly:$50 バンドソーを保持するベアリング部です。これも標準装備されており、予備を購入する必要はありません。もし購入するなら1ペア必要になります。
予備バンドソー:Bandmill Blades WM132:$19×4=$76 余分に4本購入しました。安いのでこれくらいあっても良いでしょう。
バンドソー研磨機:Bandblade Sharpeners:$1050 バンドソーの歯を手で研ぐことは現実的ではありません。必ず手に入れましょう。
バンドソーセット工具:Blade Handsetter:$65 手でバンドソーを持てますので、これは不要です。と思いましたら、どうやら歯先の目立て(・・・あさりを付けるもの)でした。購入しておきましょう。
以上で、購入代金は$4276になりました。不要と思われるものを除けば$4036になります。
[2]メーカーへの依頼 個人輸入が初めてであれば、メーカーとの対応は個人輸入業者に頼みましょう。 私もWood-Mizer社とE-mailでやり取りしたことがあります。見積もりまで入手しましたが、輸入段階でつまづきました。また、送金方法も厄介のようですので、私はJISA Trading Serviceにお願いしました。 若干というより大きな不安(信頼できるところかは重要)がありましたが、購入価格の10%を手数料とするということでしたので思い切って代行をお願いしました。 送料(船賃)が$1500かかるこということで、購入代金+代行料+送料を日本円で、指定銀行に振込みました。これで発注がかかり、2ヶ月後には手元に入るはずです(最終的には、この他に輸入手数料+消費税がかかります)。 JISAより連絡があるまで気長に待ちます(時々JISAより確認メールが来ます)。不安でしたら、こちらからメールしましょう。
[3]輸入の手続き(書類準備) これは初めての人には酷なものがあります。しかし決して無理ではありません(特異な用語が多いので、下調べは必要ですが、記号と思えば悩まなくて済みます)。 費用を抑えるため、自分で手続きすることにしました(初めてであれば丸一日かかるそうですが、海から遠い里山では、もう一日余分にみておきます)。 もし心配であれば、JISAに頼みましょう(当然余分にお金がかかります)。
最初は「ARRAIVAL NOTICE」の入手です。 船の入港前にJISAから連絡がありましたので輸入業者(今回はPRECONというところ)からFAXしてもらいました。 B/L レスだそうで、これが無くてもD/O(デリバリオーダとも言う)を発行してもらえますが、税関で必要になってきますので、必ず入手しておいてください。また、FAXでかまいませんから「INVOICE」も入手しておきましょう。
「ARRAIVAL NOTICE」には 1)名称(FOREST CUTTING EQUIPMENTとありました) 2)重さ(477で単位無し) 3)手数料(T.H.C. / CFS CHARGES / CO-LOAD FEE / D/O PROCESSING FEE でTOTAL \28,267とありました) 4)船の名前(SEALAND PATROITとあります) 5)到着予定日 6)荷受け先と電話番号 7)D/O発行所と電話番号 などが記載されています。
D/O発行所に電話をしてD/O発行可能か確認した後、D/O発行所まで出向き「ARRAIVAL NOTICE」に記載の手数料を払ってD/Oを発行してもらいます。 「ARRAIVAL NOTICE」にはD/O発行所はスーパーレックスからとなっていましたので、電話番号から場所を検索し出向きました(名古屋の丸の内でKSビル8Fにありました)。
これがD/O(デリバリ−オーダー)のオリジナル(原本)です。 これと、輸入申告書で荷受ができます。 絶対なくさないようにしなければなりません。
以上が揃いましたら、税関に行きます。
ここは名古屋港税関の管轄になりますので、名古屋港(名古屋水族館の北側)の港湾合同庁舎(下の写真)へ行きます。 受取りまでしたかったので、日を改めて早朝から出向きました。 駐車場もありますが、入管には警備員から身分証明書(運転免許証)の提示を求められます。 3Fの税関相談官室行き、相談官に相談しに行きます。 緊張しましたが、大丈夫です。
税関相談官は非常に親切に教えてくれますので、言われるがままに輸入申告書を作ります(用紙もいただけますが書類作成に1時間以上かかります)。 こちらでは、「ARRAIVAL NOTICE」・「INVOICE」・「D/O」・「印鑑」・「輸入するものを説明できる資料(ホームページのコピーなど)」を用意しておいてから相談に行きましょう。 現在は、ほとんどの機械類は無関税(フリー)になっていますが、消費税(税率は5%ではない)がかかります。 今回は、3万円ほどの消費税が必要になるとのことです(用意だけしておきます)。
[4]輸入の手続き(荷受け) さて次は名古屋税関西部出張所(左の写真です)にいきます。 どこへ行けば良いかは、税関相談官が教えてくれます。基本的には「ARRAIVAL NOTICE」のCFS:の次にある会社(倉庫)を管轄する税関へ行けばいいわけです。
ここでは、 1)2Fで受け付け番号を入手し、輸入申告書に記載する。 2)1Fで輸入申告書類を提示して、内容を確認してもらう(必要に応じて修正が必要ですので、印鑑は持っていきましょう)。
ここで内容の確認に時間がかかるので、昼食にしました。 昼食は、名古屋税関西部出張所の道路を挟んだ南側に、福祉センターというのがありますので、そこで頂きましょう。500円あればお腹いっぱいになります(出張所の方に教えていただきました)。 またお昼休みは、東浜中央緑地北で休憩しましょう。
東浜中央緑地北には運動場もありますが、平日は閑散としています。昼時は従業員らしい人たちが運動(野球でしょうか)をしていました。
また、出張所の北側はコンテナの積込み場になっています。左写真のように、よく分からない重機もありますので、時間があれば見学するのも良いでしょう。 そうこうするうちに、お昼休みが終わりました。 出張所に行き、先ほどの続きになります。 3)申請の内容が問題なければ、倉庫へ行き品物の確認です。税関職員と一緒に倉庫へ行き、検品します。ここで、初めて製材機とご対面です。 木ねじ多数でふさがれた梱包を開けるため、こちらで用意した電動ドライバーを使いました(税関職員持参の手回しドライバーでは日が暮れます)。 検品OKなら次は税金(消費税)を納めることになります。
4)用紙をいただけますので、それに必要事項を記載して、最寄の銀行に行きます。納める消費税額は教えていただけますので、それを記載します。
しかし、最寄の銀行は非常に遠い(愛知銀行に行きました)。往復1時間はかかります。税関で取り扱っていただけるとありがたいのに。 銀行で税金を納めると上のような領収証をいただけます。
5)これでようやく輸入許可印をいただけます。税関出張所に戻り、2Fへ行き領収書を見せると許可印を頂けます。もう税関に用はありません。先ほど検品した倉庫に向かいます。
6)荷受けですが、「D/O」と許可印のある輸入申告書を倉庫の係員に見せます。 倉庫はフジトランスでした。書類を見せるとサインを求められ、サインすればフォークリフトで車に荷物を載せてくれます。 ここで荷物を固定し、荷受け完了になります。 ここまで時間はかかりますが、基本的に輸入することに対して関係者の皆さんは好意的です。
[5]運搬 大きさは、後で測りましたが L=2320 W=1200 H=1470 でした。重さは「D/O」に記載されており、多少重量オーバーの感はありますが、何とか軽トラ(ホンダ アクティ)で運搬可能です。 重いものを運んだことの無い者にとっては、かなり恐い思いをします(ふわぁふわぁ感がすごい)。 (左はパーキングで休憩中)
ようやく家に着きました。 この中に簡易製材機が入っています。 どうやって降ろすのか考えるところです。 500kg近くあり、大きいので運搬前に降ろすことも考えておきましょう。
[6]開梱 日を改めて荷降ろしをしようと思いましたが、家人が重機を使って降ろしてくれました。(ラッキー!) それでは開梱です。
よく見ると、梱包は素人が行った感があり、コーナーは直角が出ていません。 木ネジで合板を固定していますので、それをはずしていきます。 前後、左右と天板があります。
合板をはずしていきますと、中が見えてきます。 さらに開梱を続けます。
本体は一人で持ち上げられないので、チェンブロックで持ち上げて、下にあるレールを取り出します。 ただし、レールも相当重い(30kgくらいありそう)。 それと、中には説明書(英文のみで図が無く、しかも説明が少なすぎます)とTシャツと帽子(キャップ)が入っていました(どうもXLサイズのようで、しかも中国製です)。
もうひとつ、自動研磨機を確認します。
バイスに挟んで使うのですが、セットの仕方が説明書にありません。しかたなくメーカのホームページを参考に組み立てます(バンドソーが切れなくなったら使う)。 それと、電源は60Hz/115Vとあります。この程度であれば日本の商用電源(100V)で十分動作します。
[7]使用感 さて、最後は使用した感想です。 右のように、当初はレール下にレールを水平にするために枕木を敷きましたが、枕木との間でレールが変形することがあります。木の上にレールを置く程度では安定感がありません。 幸い床はコンクリート仕上げだったので、後日アンカーボルトと平板でおよそ10箇所を固定しました。
水平が出たところで、レール同士を付属のボルトで接続します。特につなぎ目は、段差がないように気をつけましょう。それと、レール最前部と最後部は本体が落下しないよう木材などでストッパーをしておきましょう。これで準備OKです。
エンジンをかけて見ますと、かわいい(バギーに似ている)音を発して安定したところで、スロットルレバーを上げますと、バンドソーが動きだします。 各部のネジの緩みが無いことを確認しておきます。
試しに、直径15cmほどの丸太を製材してみました。 その結果は、 1)バンドソーは良く切れる(ちなみにバンドソーメーカーは、Wood-Mizer)。 2)木材が軽い場合、たとえ平面を出していてもその木材は回ってしまうので、レールに付いているある固定治具を使う。 3)その固定治具は使いづらい。
それでも、あまりに簡単に製材できてしまう(エンジンは中回転くらいであれば、片手で軽く押せば良い)。
これで、里山の生活に使う木材に不自由しなくなるぞ! おしまい |