けやき平キャンプ場のすのこを直そう!

[更新:2009-8-24]

2008年の初夏に利用した「けやき平キャンプ場」では、

ありがたいことに「すのこ」がありました。

しかし、かなりくたびれており、見るに見かねて修理をすることにしました。

 

 

 

 

2008年9月

[ボランティアの申し入れ]

 

 すべて市の財産ですから、勝手に直すことはできません。中津川市観光課におよその計画書を提示して、許可を受けました。

 ところで、個人でボランティアをしたいと申し入れたら理解されませんでした(ボランティアは団体でするものと思っているようです)。もっと個人を受け入れるようにしないと、本当のボランティが育たないと思います(が、地方ですから仕方がないかもしれません)。

 

 

 

2008年10月

 [すのこの搬出]

 

 キャンプ場の利用期間は、7/1〜9/30までです。したがって、10月に入ってから引取りをしました。

 合計50枚ほどありますが、大半に腐食が見られます。

 雨線に当たる場所に置いてあれば、腐食するのも早いものです。すのこ修理後は置き場所を変えなければいけません。

腐食の状況(ひどいありさま)です。

特に地面に近いものは

使い物にならない。

 

  

 軽トラックに載せましたが、

一回では無理でしたので

2往復しました。

 作業場に搬入し乾燥しておきます。

 

 

 

2008年11月

 [すのこを分解]

 表面を加工するので、板と垂木に分解します。

 垂木は半分ほどが腐食で使えなく、板部分も割れなどで、そのままでは使えないことがわかりました。

 この分解作業が予想以上に大仕事でした。

 腐っていることで弱くなっていて、

分解により垂木の多くが

ご覧の通り破損しました。

 

板は乾燥により

割れたものが多いようです。

 板を止めていた釘は、

すべて錆びていました。

 釘の頭の腐食もひどく、

くぎ抜きで抜けないものも半数以上ありました。

 

 抜いた釘はこれだけの量となりました。

 

 

 

2008年12月

[穴の補修] 

 板及び垂木は、釘穴周りが腐食して大きくなっています。木片を入れて穴を塞いでおきます。

 節で大きな穴が開いているものもあるので、釘穴が開いたままでも良いのですが、見栄えが良いようにしました。

 

 

 

2009年1月

[垂木の追加] 

 垂木の約半分は割れや腐食で使い物になりません。

追加用に垂木を製材しておきます。

これだけあれば何とかなりそうです。

 

 

長さはもちろん、

幅・高さとも揃えておきます。

 

 

 

  

2009年2月

[垂木の加工] 

 分解した垂木も追加した垂木と同じ寸法に揃えます。また破損防止に、接地角の面も取っておきます。

 分解した垂木の加工前と加工後では、大きく様子が変わったことがわかります。

 

 ようやく垂木の加工が終わりました。

 すのこ1枚に6本使いますので、

すのこ55枚ですから合計330本となります。

 

 

 

2009年3月

[板の加工] 

 板はすべて分解した物を利用します。

 表面はカビで黒く変色しています。

 側面も自動カンナで削り、すべての板の長さ・幅・厚さを揃えます。

 細かい砂などが付着していたので、自動カンナの刃がダメになってしまいました(予想通りの結果)。

すのこ1枚に4枚の板を使いますので、

すのこ55枚ですから合計220枚となります。

 

こちらは割れて使えなくなった板です。

薪ストーブの燃料となります。

 

 

2009年4月

[板の面取り・下穴] 

 すのこ表面となる板は、ナンナで長手方向の面取りをしておきます。これで使用感が良くなります。

 またコーナー部は丸のこで切断しておきます。

 もうそろそろキャンプシーズンとなります。休日だけでなく平日の夜も作業を行って、キャンプシーズンに間に合わせるようスピードアップしていきます。

 

割れ防止のため、木ネジ用の下穴を開けておきます。

すのこ1枚あたり下穴48箇所、すのこ55枚ですから、

全部で2640箇所の下穴を開けました。

 

 

 

 

 2009年5月

[板の表面仕上げ] 

 自動カンナは刃が悪くなったこともあり、綺麗な仕上げとは言いがたい状態でしたので、サンダーで表面を仕上げておきます。

 ようやく完成までの目処が立ちました。

 

 ようやく板の仕上げが完了しました。

 

 

 

 

 2009年6月

[塗装] 

 塗装は一番安価なクレオソートとします。

 耐久性を持たせるため、どぶ漬けを行いました。これで刷毛先が入らないようなところも、クレオソートが入り込みます。

 このどぶ漬け塗装は、一度はやってみたいと思っていました。作業性が早く、塗り残し・ムラも無いのですが、塗料の量が相当量必要です(今回は25Lほど使用したと思います)。

 

塗装が完了したものから

積み上げていきます。

 

 

垂木は屋内に積み上げておきます。

 

 

 

2009年7月

[組み立て・搬入] 

 いよいよ組み立てとなります。

 垂木を6本平行にセットし、板を4枚並べ下穴より木ネジで固定します。

 

木ネジは2640本

 

釘よりネジが丈夫で見た目も良い。

 

 

組み立てられたすのこを仮置き

しています。

完成した都度搬入しました。

その結果、

3度往復することになりました。

2回目の搬入が完了したところです。

あたりが暗くなっています。

 

 昨年10月から7月まで10ヶ月間、休日は すのこ・すのこ の日々でした。

ボロボロになったすのこを分解する時、朽果てた釘を木の中から取り出すことや、

木の表面が順目・逆目と入り組んでいる板のカンナ掛けや、

いつ終わるか不安になった2000本以上の木ネジ締めなど。

 

大変ではありましたが、けやき平の利用者が少しでも良かったと思えば嬉しい限りです。

 

 

−おしまい−


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