太陽熱温水器を設置しよう!

[更新:2010-12-19]

晴れた日には暖かい日差しがありがたい。この熱を利用しないとはもったいない。

太陽光発電はとても手が出ないので、投資対効果が確実な太陽熱温水器を取り付けてみました。

一般には業者に頼むのですが、納得できるよう自分で設置しました。

 

 

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第1日目

 [予算の捻出]

 

 事を始めるためには予算が必要です。購入しようとする温水器は高圧タイプなので高額ですから、約2年のローンを利用しました。見積りを取ったりして審査に2週間ほど掛かり、ようやく費用の準備できました。注文をして品物を待ちます。

 

第2日目

 [蓄熱槽の基礎工事−型枠]

 

 蓄熱槽は満水で300kg、自重を合わせれば400kg以上になりますから基礎は重要です。もともとあったスペースでは足りないので、足りない部分に型枠を作って鉄筋を配置します。鉄筋の量は規定より少ないのですが、それなりに入っています。

 

第3日目

 [蓄熱槽の基礎工事−打設]

 

 近くの生コン店から購入出来る最低限の量、0.1mを軽トラに載せて来ました。

 型枠に生コンを投入し、棒を使って空気を出します。バイブレータがあると良いのですが、無いものねだりをしても仕方がありません。

   

 水平が出ているか良く確認し、鏝で仕上げれます。予定通りのコンクリート量で済みました。1週間以上養生させます。

 ちなみに型枠は、コンクリートが固まったら分解されまきストーブの燃料になる予定です。

 

 

 

第4日目

 [入荷]

 

 注文しておいた商品が到着しました。かなり年季の入ったパワーゲート付き2t車がやって来ました。部材はともかく蓄熱槽は重いですから一人では降ろせません。手伝いながらの荷降しとなりました。

 

 納品漏れがないかチェック後、受領書にサインをします。蓄熱槽は一人でも運べるように台車に載せてあります。

 母屋の庭に並んだシステム一式を見て、

「さあ、どうしよう...」と一抹の不安を覚えました。

 

 

 

第5日目

 [蓄熱槽設置]

 

 蓄熱槽は台車に載せておいたので、母屋からここまでおよそ80mを一人で運ぶ事が出来ました。下り坂は倒れそうになるので、十分な注意が必要です。

 現物合わせで後打ちアンカー用の穴位置に印を付け本体をずらし、アンカー穴を開けます。

 

 

 M10アンカー6本で基礎に固定しましたので、地震でも転倒しないでしょう。

 集熱器の設置まで時間がありますので、包装用ビニールを被せておきます。

 

 

 

第6日目

 [集熱器設置]

 

 いよいよ集熱器設置です。屋根上工事となりますので、一番危険度や難易度が高い作業になります。

 まず安全第一ですので親綱を渡し、ヘルメット・安全帯を装着します。

 屋根上まで2連梯子を伸ばし、ロープで梯子を固定、梯子最上部には荷揚げ用に電動ウインチをセット、これできっとうまく行くはず。

 

 集熱器をウインチで引き上げるのですが、ロープだけでは不安があります。

 そこで梯子幅に合わせた橇を用意しておきました。これに集熱器を置いて、この橇を引き上げるようにしました。

 

 

 

 そして、電動ウインチのスイッチをON!

 ゆっくり集熱器が上昇してきます。なかなか調子が良い。 

 

 屋根上に到着しました。カタログ上は1枚40kgという集熱器を引きずりながら屋根上に並べます。

 丁寧に置かないとずり落ちてしまいます。雪止めが有って良かった。

 

 

 

 これが1枚目、同様に2枚目、3枚目まで引き上げました。これらを部材のアングルでつなげ1枚にします。

 一体化した後、付属のワイヤーで固定します。

 

 安全帯の金属フックで集熱器のガラスを割らないよう注意しながらの作業はとても疲れます。

 

 集熱器の固定を完了して今日の作業はここまで。ほぼイメージしていた作業手順で設置が完了しました。

 軒先アングルを使用せず、屋根から直接ワイヤーで集熱器を固定したので見た目もすっきり。

 

 

 

第7日目

 [PE管の引き回し]

 

 集熱器と蓄熱槽をつなぐポリエチレン管を取り付けます。PE管はポリエチレン管と保温材及び保護チューブで構成されています。強制循環式なので、往戻の2管で1本となっていますから、1管ずつ説明書通り接続をします。

 

 屋根に穴を開けました。プロの業者は雨漏りが不安ですから、まずこの方法では施工しません。

 一応勝算があるため実施してみました。

 

 

 屋根に開けた穴にPE管を通し天井裏に落とし込みます。

 屋根上の配管の納まりが決まったら、PE管をホームセンターで購入したアングルで屋根に固定します。

 ついでに屋根を這わせていたFMのアンテナケーブルも入れ込みます。

 

 屋根の開口部をカラー鋼板で覆います。心配な所はシーリング剤を塗布しておきます。

 これで雨水浸入は大丈夫でしょう。

 ・・・1年後に再点検を計画しましょう。

 

 

 天井裏はPE管を板に沿わせ、蓄熱槽まで極力下り勾配になるよう施工します。

  

  

第8日目

 [PE管の接続]

 

 壁にコードを通す穴を開け、コードを付けたリモコンを壁に取り付けます。

 通常はほとんど使いませんので、食器棚の上に取り付けました。

 

 こちらが外壁側。

 太いのがPE管で、黒く細いのがFMアンテナケーブルです。 

 

 

 

 エアコンの配管カバーを流用して保護カバーにします。リモコンコードは配管カバー側面に穴を開け通しておきます。

 これで太陽熱温水器によく見られる配管の取り回しの悪さが解消しました。

 

 次はPE管の接続。

 先にバルブ類を取り付けておきます。

 

 

 

 PE管の接続も説明書通り行います。

 「ギュ〜ッ」と差し込んで終了。あまりにも簡単です。

 仕上げにテープを巻いておきます。

 

 付属の循環液(不凍液)をリザーブタンクに入れてバルブを開き、電源プラグをコンセントに差し込みます。ポンプ音がして循環液を集熱器まで送り込みます。

 

 

 

第9日目

 [水配管の接続]

 

 家族が不在の時を見計らって水道工事を行います(水道工事は指定業者でなければ実施してはいけませんが、自宅の水道を自ら工事する場合は例外扱いです)。

 元栓を止め、ボイラーに接続された管を思い切って切断します。・・・後戻りはできません。

 

 新設の配管は硬質塩ビ管とし、電熱線も水道元バルブに這わせておきます。

 この状態で試運転実施。

 新しい水経路は、水道→蓄熱槽→ボイラー→給湯 としているので、蓄熱槽の温度が低い時はボイラーでお湯を沸かすシステムとしました。これなら既設ボイラーのお風呂自動お湯張り機能がそのまま利用できますし、通常の給湯も今まで通りの使い勝手になります。

 

 

 

 パイカ(パイプカバー)で保温し完成です。

 天気の良い日が待ち遠しい。

 

 

 11月半ばの良い天気の日では、ボイラーが不要なほどのお湯を沸かしてくれます。

 

  

  

 

第10日目

 [蓄熱槽屋根設置]

 

 蓄熱槽の天板は平面であることから雨水が溜まり易く、それにより腐食することがよくあります。

 そこで屋根を設置します。

 まず下地を作ります。トタンで覆うため、廃材にしてもおかしくない板を使いました。

 

 下地に軽く塗装をした後、トタンで覆います。波板で無いので、見栄えは良い。

 ここまで出来上がるのに3日ほどかかっています。

 

 蓄熱槽に被せて終了。

 きつめに作りましたので、突風程度では外れません。

 少し見苦しいのですが、包装されていたビニールを巻いています。破れたら撤去しましょう。

 

 

 

 水道直結の太陽熱温水器を探していましたが、

こちらの思っていた製品がようやく販売されましたので採用しました。

太陽熱温水器のイメージ(集熱器にかまぼこ状の物がついている)というより、

太陽光発電システムのような集熱器は、見た目もすっきりしています。

また取り付けには思い切った施工をしましたので、配管類もすっきりしました。

屋根に穴を開けるのはかなり挑戦的であるため、1年後、5年後、10年後と

天井裏に上り雨漏りのチェックが必要と思っています。

 

使用感も予想通り、まったく太陽熱温水器のことを気にせずお湯を利用できます。

冬場はボイラーの灯油使用量が以前のおよそ半分になりました。

春先以降、外気温が高くなればほとんどボイラーは不要になりそうなので、

浮いた燃料代で新たな楽しみを見つけられそうです。

 

 

−おしまい−


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